多くのデジタルサイネージが店舗や施設など設置されていますが、多くは固定の画像や動画を繰り返し再生する、スタンドアローンな端末が主流となっています。
スケジューリングされ、ダイナミックで魅力的なコンテンツを配信するディスプレイは、大手ベンダーによる大規模なサイネージが多く、その導入や運用に多額の費用がかかっています。
インターネットは広く普及しており、ダイナミックで効果的なコンテンツを配信する環境は整っています。また、ディスプレイや端末も低価格で導入可能となっています。
多くの企業や商店がWebページによる情報発信を行っていますが、デジタルサイネージの導入はまだ進んでいません。
大きな理由は、デジタルサイネージのプラットホームが普及していないため、個別開発で多額の費用を必要としているからです。
誰でも使えるオープンソースのデジタルサイネージプラットホームの普及が期待されています。

日本におけるデジタルサイネージ市場規模

出典:CARTA HOLDINGS

日本でのデジタルサイネージ市場は今後、店舗での成長が期待できると言われ、特に小売店での導入がすすむと考えられています。今後3年で市場規模は2倍になると予想されています。

オープンソースに対する偏見

オープンソースに対する偏見はまだまだ根強いと言えますが、実はすでに多くのシステムで活用されています。Linuxは広く使われていて、webサーバや多くのアプリケーションはlinux上で稼働しインターネットのインフラを担っています。みなさんがお使いのスマートフォン、AndroidもiPhoneもOSはLinuxベースです。個別のプロダクトで言うと、今ご覧になっているこのページもWordPressというオープンソースのCMSでつくられています。ブラウザのfirefoxやメーラーのthunderbirdもオープンソースです。
オープンソースのプロダクトの良いところは、特定のメーカーやベンダー、機材にしばられることなく、常に最新の状態に保つことができることです。世界中に利用者、開発者がいてより安定なシステムへのメンテナンスが継続的に行われています。ユーザーのコミュニティがあり、インターネット上で情報の交換や検索ができます。
サポートがなく、責任の所在が不明確とも言われますが、究極的には責任はそのプロダクトを選択したあなたにあると言えます。やっぱりサポートが必要な場合はオープンソースであっても有料のサポートや教育プログラムが提供されている場合があります。例えばRed Hat Enterprise Linuxは有償のサポートを提供しています。
セキュリティに関してはブラックボックスがないので、むしろ特定のメーカーのプロダクトより高いと言ってよいでしょう。バグがあれば世界中のエンジニア対応し、すぐに修復されます。
オープンソース デジタルサイネージの分野についてはまだ端緒に立ったところでありますが、今後コミュニティが発展し、プロダクトとしての完成度を高め社会のインフラを担う存在になっていくことを期待しています。

デジタルサイネージの活用

デジタルサイネージと一口に言っても、モニターで動画をループ再生しているものから、タッチコンテンツ、数百の端末のコンテンツを一気に更新するもの、街頭の巨大LEDビジョンなどその用途や規模は様々です。デジタルサイネージはwebサイトと似ていると言って良いかもしれません。自由度が高く、なんでもできるので、何を使って何をやったらよくわからない。webサイトについては、今や一般的になり学校でも教えるぐらいになっています。デジタルサイネージについても、モニターと再生装置さえあれば、スケジュールしたコンテンツを再生したり、インターネットから情報を取得した情報を整形して映すことができます。そんなに難しいことではありません。お店で、家でちょっとデジタルサイネージをつくってみるなんてこともできるのです。

Xiboが中心となると思いますが、これからチュートリアルを整備していく予定ですので、みなさんもデジタルサイネージをはじめてみませんか!